
近年、『2024年問題』という言葉をよく耳にしたかと思います。
『2024年問題』とは、労働時間規制の変更(2024年4月~)によっておこる問題(物流・運送業界に適用される労働時間規制に伴って発生する課題)のことで、人手不足が深刻化し、売上の減少などの影響が懸念されています。
今回は、この『2024年問題』を克服するために、「最新の機械設備の導入」を支援する取り組みを紹介します。(設備投資緊急支援事業)
目次
- 設備投資緊急支援事業とは
- 具体的な内容
- 申請までの流れ
- 注意点
- まとめ
|設備投資緊急支援事業とは
「設備投資緊急支援事業」とは、『2024年問題』への対応策として、東京都が実施する助成金制度のことです。
具体的にいうと、2024年4月から適用された時間外労働の上限規制により発生する人手不足などの課題に対して、中小企業が生産性向上や競争力強化のために必要な「機械設備の導入」を支援するものです。
「機械設備の導入」を支援することで、中小企業の持続的な成長を目指します。
|設備投資緊急支援事業の内容
■ 対象者
以下の3つの要件を満たす必要があります。

- 対象業種:建設事業・自動車運転業務・医師業務
- 雇用実績:2020年4月~2024年3月
- 東京都内(本店・支店)の中小企業:2年以上の営業
(本店が東京都の場合、支店は神奈川県、埼玉県、
千葉県、群馬県、栃木県、茨城県、山梨県でも可)
■ 対象事業
助成対象となるのは、『働き方改革関連法に基づく時間外労働の上限規制』に対応するために必要な機械設備を新たに導入する場合です。
以下、建築業と運送・物流業の例です。
■ 対象経費と補助額
●対象経費:機械装置、器具備品、ソフトウェアの導入経費
●補助額:最大1億円(100万円以上)
●補助率:4/5以内
※1基50万円以上の機械装置が対象
※ソフトウェアは300~1,000万円が対象
|申請までの流れ

① 申請準備
・公募要項の内容確認
申請要件を満たしているかを確認します。
・ネットクラブ会員の登録(公益財団法人東京都中小企業振興公社)
申請予約に必要な会員サービスへの登録を、公社のHPから行います。
・GビズIDプライムアカウントの取得
申請は電子申請システム「jGrants」を使用して行うため、事前にGビズIDプライムアカウントを取得しておきましょう。
(アカウント発行には2週間程度かかるため、余裕を持って準備しましょう)
② 申請の流れ

- 専用ページから申請予約(必須)
- 「jGrants」を使用して電子申請
- 書類審査(一次審査)
- 面接審査(二次審査)
- 審査に通過すると、助成対象者に決定
- 事業開始
③ 交付決定後の手続き
「jGrants」上で交付が決定すると、助成事業を開始できます。
助成対象の期間内に、契約・納品・支払いの完了までを行います。
事業終了後は、「完了報告書」を提出し、「助成金の確定手続き」を行います。
公社による事業内容や経費の検査が完了すると、約2ヶ月後に助成金が交付されます。
事業完了後も、5年間は「事業化状況報告書」の提出が義務づけられています。
|注意点

●36協定届の提出
時間外労働・休日労働に関する協定届(36協定届)の提出が必要です。
●対象外となる事業
単なる機械設備の更新や研究開発目的の設備は助成対象外です。
●完了報告の書類
完了報告時には、機械設備に関する確認書類の写しを提出する必要があります。
(原本はしっかり整備し、保管しましょう)
|まとめ

今回は、2024年問題に対する対策を検討している中小企業向けに、最新の機械設備導入を支援する助成金制度「設備投資緊急支援事業」を紹介しました。
この助成金は、総額1億円で4/5の助成額と非常に大きな助成金となっています。
そのため、申請には「事業計画書」が必要で、それらを提出するだけでなく、審査に通らないといけません。
通常業務で忙しい中、審査に通る「事業計画書」を作成するのは、骨の折れる作業かと思います。
弊社では、補助金・助成金の申請サポートも承っております。
「申請できるかどうか相談してみたい」「詳しい支援内容を知りたい」という方は、お気軽にご相談(無料)ください。
